迫り来る「2027年問題」、本当に他人事でしょうか
国内企業の多くが採用している主要 ERP パッケージは、2027 年末で現行バージョンの標準保守が終了します。延長保守へ移行すれば保守料金は年数%上乗せされるとアナウンスされています。加えて経済産業省の DXレポートは、レガシーシステムを温存した場合年間最大 12 兆円の経済損失が生じると警告しています。
「動いているから大丈夫だろう」と先送りすれば、保守費だけでなく売上機会損失という形でも跳ね返ってくると考えられます。
保守費が雪だるま式に膨らむ仕組み
コスト増の要因 | 具体例 | 影響フェーズ |
---|---|---|
延長保守料 | ベンダー延長保守 +数%/年 | 2028–2030 |
有償パッチ | OS / DB の EOL で個別契約 | 即時 |
属人化した技術者単価 | COBOL・独自言語エンジニア不足 | 常時 |
ハード更新費 | 老朽 HW のリプレース+冗長構成 | プロジェクト直後 |
IT 要員不足と属人化は単価上昇だけでなく「保守要員が確保できない」事態を招くでしょう。
中堅企業が直面する典型的シナリオ
3.1 例:年商 30 億円・製造業 A 社
- 現状:在庫管理・売上管理・工程管理がレガシー ERP +大量アドオンで稼働
- 課題:
- 改修にはアドオン解析が必要で2か月待ち
- サーバーは保証切れ、冗長構成追加に1,500万円
- 情シス要員3名のうち2名が55歳以上
A 社が試算したところ、延長保守+外部保守要員調達で 3年間の運用費が現行比 2.8 倍 になる見通しでした。経営層も判断を迫られる局面だと言えます。
発注判断前に整理したい五つの視点
業務システム開発会社の選定基準
価格だけでなく「リリース後の改善速度」と「DX 人材育成支援」を確認します。
システム開発見積もりの読み解き方
人月単価より「スコープ外リスク」「追加対応レート」に注目すると失敗しにくいですよね。
受託開発費用と業務システム開発費用の差
請負 vs 準委任、共同開発――会計処理とリスク分担が変わる点を把握すると良いでしょう。
基幹システムリプレイス費用の評価軸
パッケージ移行、フェーズ分割スクラッチ、ハイブリッド連携。それぞれの TCO を比較することをお勧めします。
中期ロードマップと運用体制
リプレイス後の 業務システム内製化支援 を組み込み、改善サイクルを自社で回す仕組みを描きたいところです。
段階的リプレイスと概算費用モデル
アプローチ | 対象領域 | 概算費用例 (年商 50 億円規模) | 効果 |
---|---|---|---|
フェーズ分割スクラッチ | 在庫管理システム開発・売上管理システム開発 | 3,000–8,000 万円 / 3 年 | 在庫回転率向上、処理速度 2 倍 |
基幹+ワークフロー刷新 | ワークフローシステム開発・工程管理システム開発 | 4,000 万–1.2 億円 / 3 年 | 稟議時間 30 % 短縮 |
部分刷新+ RPA 連携システム開発 | 受注〜会計連携 | 2,000–4,000 万円 / 2 年 | 手作業 80 % 削減 |
BtoB EC システム開発 拡張 | 取引先専用 EC + API | 1,500–3,500 万円 / 1.5 年 | 受注処理量 2 倍 |
SIA株式会社が提案する「保守費 3 倍」を防ぐ道筋
現状分析
アドオン構成・データ量の棚卸し
属人化度を可視化し、リプレイス優先度を明確にします。
段階的スクラッチ
重点領域の優先置換
在庫管理・生産管理・受注管理を優先し、既存 ERP と API 連携しながら順次置き換えます。
DX人材育成と内製化
ハンズオン+コードレビュー
情シス主導の改善体制を構築し、継続的に学習できる仕組みを提供します。
運用自動化
RPA・IaC の積極活用
RPA 連携システム開発や IaC により、日々の保守・デプロイコストを抑えます。
結果として、延長保守より総コストを抑えつつ、柔軟な業務システム基盤を獲得できると考えられます。※IaC (Infrastructure as Code) は、サーバー・ネットワーク・ミドルウェア設定など “インフラ構成” をコード(宣言的なテンプレートやスクリプト)として管理・自動適用する手法
次の一手を検討される皆様へ
2027 年は待ってくれません。今のうちに在庫管理・生産管理・受注管理といった現場密着領域から着手し、基幹システムリプレイス費用 のピークを平準化することが現実的な解だとわたしたちは考えます。
まずは自社のリスクとコスト構造を可視化し、打てる手を整理してみませんか。お気軽にお問い合わせください。
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