物流・貿易業向け 業務システム開発

帳票・申告データ・貨物の所在を、一度の登録でつなぐ

輸出のたびに帳票と申告データを人が作っている、貨物の所在を倉庫や出荷現場ですぐ確認できない、既存の倉庫管理システムに無い項目を紙やExcelで別管理している。物流・貿易業に多いこうした事務作業を、案件データを一度登録すれば帳票・申告データ・貨物の追跡までつながる業務システムで減らします。東証上場の物流会社で年間約3,000万円のコスト削減につながった事例をもとに、進め方と費用の目安をご説明します。

物流・貿易業でよくある課題

物流・貿易の業務には、受注から出荷、輸出入の手続き、貨物の追跡、請求までの各段階で、同じ内容を別の書類やシステムに入力し直す場面が多くあります。当社が手がけた物流会社の輸出・税関業務支援システムで出発点になったのは、次の3つでした。

帳票と申告データを人が作っている

案件ごとに同じ内容を複数の帳票と申告データに打ち込む。件数が増えるほど帳票作成の負荷が事務の時間を占めます。

貨物の所在を現場で確認できない

倉庫や出荷現場で「この貨物は今どこか」をその場で見られず、事務所への電話や紙の控えで確認することになります。

ヒューマンエラーがコストになる

手作業の転記は入力ミスの温床です。帳票や申告の誤りは訂正の手戻りになり、業務コストを押し上げます。

よくある現状: Excelの帳票テンプレートと手入力

上の課題の裏にあるのは、多くの場合「Excelの帳票テンプレートに案件ごとに手入力し、申告データは別途作る」運用と、「既存の倉庫管理システムや基幹システムに無い輸出入特有の項目を、紙やExcelで別管理する」運用です。
今の運用起きていること限界のサイン
Excelの帳票テンプレートに案件ごとに手入力同じ案件の内容を、複数の帳票と申告データに打ち直す件数の増加を残業で吸収している。帳票間で数字が食い違う
既存システムに無い輸出入特有の項目を紙・Excelで別管理基幹システムの数字と輸出帳票の数字が別の場所にある誰かの手元のファイルが正になっている
既存の倉庫管理システムや基幹システムを置き換える必要はありません。案件データを一度だけ登録し、そこから帳票と申告データを生成する部分を作って、既存システムとはCSVの取り込みやAPI連携でつなぐのが当社の基本です。

SIAの解決方法

物流業務の流れを現場ヒアリングで整理し、「人が同じ内容を何度も入力している工程」を特定するところから始めます。システム化の範囲は、受注から貨物の追跡までのどこを自動化するかで決めます。

物流業務の流れとシステム化の範囲

工程手作業のときの負荷システムでの対応
受注・出荷指示案件の情報を各帳票に転記する案件を1回登録し、以降の帳票と申告データの元データにする
帳票の出力Excelのテンプレートに入力して印刷する同じ元データから、送り状・インボイス・パッキングリストなど必要な帳票を自動で出力する
輸出入の申告申告に必要な項目を手で組み立てる登録済みの案件から申告用データを生成し、税関のシステム(NACCS)などへ転送する
出荷・貨物の追跡電話とメールで所在を確認するトラッキング画面で現場と事務所が同じ情報を見る
既存システムとの連携倉庫管理・基幹システムと二重入力になるCSVの取り込みやAPIで元データを共有する

業務システムの構成: 元データ、帳票、貨物の追跡

物流会社の事例で構築したのは、次の3つを一つの業務システムにまとめた構成です。輸出入の申告が業務に含まれる場合は、2つ目の「帳票・申告データの生成」に税関システムへの転送を組み込みます。

案件データを一度だけ登録する

受注・出荷指示の内容を元データとして一度登録し、以降の帳票・申告データ・追跡情報はすべてここから作ります。既存の倉庫管理システムや基幹システムに元データがある場合は、そちらを正として取り込みます。

帳票・申告データの自動生成

同じ元データから必要な帳票を生成し、申告が必要な案件は申告用データも作って外部システムへ転送します。転記がないので帳票間の不一致が起きず、ヒューマンエラーが減ります。外部システムの利用契約や接続方式は、お客様の既存の利用形態に合わせて要件定義で確認します。

貨物トラッキング(iPad対応)

出荷から到着までの状況を一つの画面で追います。iPadからの参照・操作に対応し、倉庫や出荷現場でもその場で確認できます。

投資回収の考え方

帳票と申告データの自動化は、効果を金額で見積もりやすい領域です。削減額は「帳票・申告データの作成にかかっていた時間 × 人数 × 人件費の単価」に、転記ミスの訂正にかかっていたコストを加えて見積もります。物流会社の事例ではこの手作業を大幅に削減し、年間約3,000万円のコスト削減につながりました。お客様からは「短期間で初期コストを回収できた」との声をいただいています。費用対効果の整理の仕方は業務システムの費用対効果にまとめています。

開発事例

物流・貿易の事例を1件、課題・対応・成果の順にご紹介します。他業種を含む全事例は開発事例にまとめています。

東証上場物流会社の 輸出・税関業務支援システム

課題: 税関向けの申告データ作成、各種帳票の出力、貨物の追跡が手作業と紙中心で、帳票作成の負荷とヒューマンエラーのリスク、業務コストの増大が課題でした。
対応: 現場ヒアリングで業務の流れを整理したうえで、必要帳票の自動出力、NACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)へのデータ転送、貨物のトラッキング機能を一つにまとめた業務システムを構築しました。iPadからの参照・操作に対応し、倉庫や出荷現場でもその場で情報を確認できます。技術はWindows Server、Oracle、BizBrowser、ASP.NET、PHPです。
成果: 帳票作成の自動化とデータ連携で手作業を大幅に削減し、年間約3,000万円のコスト削減を実現しました。自動生成によりヒューマンエラーも減少し、データ整合性の確保と業務の正確性向上にもつながっています。詳しくは東証上場物流会社向け 輸出・税関業務支援システムをご覧ください。

費用の目安

費用は帳票の種類数、連携先(既存の倉庫管理・基幹システム、税関などの外部システム)の数、画面数でほぼ決まります。規模はおおむね次のように読み分けてください(いずれも税別、要件定義からリリースまで)。
  • 特定の帳票の自動出力だけ、といった単機能のツール(画面数10未満): 100〜300万円程度
  • 案件登録から複数の帳票出力・外部連携までを新規に作る(〜20画面): 500〜1,200万円
  • 複数部門・複数拠点で使い、既存システム連携や貨物トラッキングを含む中規模(〜60画面): 2,000〜6,000万円
外部システムの利用料や回線費、iPadなどの端末費は開発費とは別にかかります。リリース後の運用保守費は開発費の15〜25%/年が目安です。規模ごとの工数と人月単価は受託開発の費用相場に、費用の内訳と抑え方はシステム開発の費用・相場にまとめています。上の事例の開発費は非公開のため記載していません。

よくあるご質問

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