基幹システムと業務システム、ERPの違いは?

会社の仕事で使用するソフトウェアには、さまざまな種類があります。
たとえば「 基幹システム 」「 業務システム 」「 ERP 」などが挙げられます。
これらを見たことはあっても、同じものか別のものか分からず、はっきり分からない、
と言う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では「 基幹システム 」「 業務システム 」「 ERP 」とは何か、
それぞれの共通点と違いは何かについて解説します。

1. 基幹システム 、業務システム 、 ERP って何?

2. 基幹システム とは

3. 業務システム とは

4.ERPとは

5.まとめ

1. 基幹システム 、 業務システム 、 ERP って何?

会社で使用されているシステムにはいくつか種類があります。
その代表例として「 基幹システム 」や「 業務システム 」に、「 ERP 」があります。
しかし、それぞれの システム が何を担当する システム であるのか、
また、どのようなことができるのかについては、あまり知られていないことが多いのではないでしょうか。
そこで、各 システム の特徴について説明していきます。
これらは学術的に定義されていたり、業界内で共通の意味で使用されていたりするものではありませんが、
ある程度統一された認識で使用されている点にご留意ください。

 

2. 基幹システム とは

企業には様々な部門があり、様々な システム が稼働しています。
在庫を管理する システム 、販売を管理する システム 、収支を管理する システム などその種類は多様です。
それらの システム の中で「経営活動に直結する」 システム を 基幹システム と言います。

たとえば、製造業で過剰在庫を抱えると本来必要のない税品を支払う必要性が生じたり、
キャッシュフローが悪化したりするなど、その扱い次第で損失を生んでしまいます。
このように在庫管理は経営に直結する重要な システム です。
製造業において 在庫管理システム はなくてはならない存在です。

 販売管理システム 、 会計管理システム などを含め、
会社経営においてなくてはならない存在の システム のことを 基幹システム と言います。

一方、グループ内SNSなどコミュニケーションを促進するためのツールは、
電話や電子メールなど代替手段は他にもあるため、経営上絶対に必要な システム とは言えません。
このような システム は 基幹システム には分類されません。

このように経営活動に直結するような システム のことを「基幹システム」と呼ばれます。

3. 業務システム とは

   業務システム を説明するに当たって、 基幹システム と混乱してしまいがちになることが多々あり、
区別のわかりにくい システム かもしれません。
「 業務 」の システム とは具体的に言うと、細かな業務をスムーズに行うための システム です。
では、 基幹システム と比較してみましょう。
 基幹システム は、企業の大きな骨組みとして機能し、企業経営にはなくてはならない システム のことです。
それに対して、 業務システム というのは、会社の業務をさらに細分化した範囲で使われる システム のことです。

 業務システム は、故障などで万が一機能しなくなっても、
会社の経営に直接的な影響がないのが特徴だと言えます。

例えば、社内の書類を管理する システム が故障したり、社内連絡のためのチャットソフトが故障したりする場合、
または、バックアップのあるデータが消失してしまう場合は、会社の経営には直接の影響があるとは言えないでしょう。
ただ、業務システム である顧客管理データなどは、企業経営が傾くことこそはありませんが、
信用問題においては重要かもしれません。
そういった意味では、顧客データは 基幹システム ではないものの、
それと同等に扱われるべき重要な 業務システム だとも言えるかもしれません。

このように、取り扱うデータの種類や業種によっては重要なシステムだと言えるケースもありますが、
一般的には、 業務システム は、機能せずとも会社の経営が可能である システム のことをいいます。

  業務システム は「業務を効率的に進行するための システム 」です。
そのため、広義には 基幹システム も 業務システム のうちに入ります。
しかし 基幹システム という言葉が浸透した今では、 業務システム は
「 基幹システム 以外の システム 」を指すことが多くなっています。
明確な線引きはありませんが、経営(特にお金)に関するデータを直接取り扱う システム 、
たとえば 在庫管理システム 、 給与管理システム 、 会計管理システム などを
基幹システム として分類することが多いです。
一方、 顧客管理システム と 営業支援システム は経営に関するデータを直接扱うことはありませんので、
 基幹システム には分類されないことが多いです。

以上のことを踏まえてざっくり分類すると、
「 基幹システム は経営に関するデータを扱うシステム」で
「 業務システム はそれ以外の システム 」となります。

基幹システムと業務システム、ERPの違いは?

4. ERP とは

 基幹システム 、 業務システム と似たIT関連の語句で、よく見るものに「 ERP 」があります。
 ERP とはEnterprise Resource Planningのことで、
直訳すると「企業経営資源計画」となり、多くの場合は「 統合基幹業務システム 」と呼ばれます。
会社経営の基本となる資源要素であるヒト・モノ・カネ・情報を適切に分配し有効活用する計画を意味します。
元々の意味は経営効率を上げるための手法のことを言っていました。
現在では、「 統合基幹業務システム 」を指すことが多く、
企業の情報戦略に欠かせない重要な位置を占めています。

では、具体的に ERP は何を指すのでしょうか?
その前に社内の システム はこれまでどのように運用されていたか見ておきましょう。

会社には会計、人事、生産、物流、販売などの部門があり、それぞれ活動しています。
各部門は自分たちの業務が効率化できるようそれぞれ独立した システム を導入していました。
会社経営という視点で俯瞰して見るとそれぞれは相互に連携しながら、
最終的には会計の数値に集約されるはずです。

しかし、従来はそれぞれ異なる システム を使用していたため、
人・モノ・金・情報は部門ごとにバラバラに存在していました。
バラバラに存在していたため、前者の情報を集計自体が手間なうえ、
集計前のデータとつじつまが合わないなどが多数発生し、
得られた情報を元に次の判断をするまでの時間もかかっていました。

 ERP はこのバラバラに存在していたデータを一箇所に集め、
そのデータを元に企業の状況をリアルタイムで見える化した システム のことを言います。
 ERP を活用することで各部門での業務の効率化を維持しつつ、経営戦略や戦術の決定が可能となります。
つまり、 ERP のメリットは「データの一元管理」にあると言えます。
さらには、ITを活用して「業務の効率化」をはかる他の システム との連携による
ビジネスの加速化を実現するといったことも可能となっています。

 

5.まとめ

この記事では 基幹システム、 業務システム 、 ERP の概略と
会社経営におけるそれぞれの位置づけを説明しました。
それぞれの用語を深く理解することは容易ではありませんが、
概念的概略的な部分だけでも理解しておくことで、
仕事で使用する社内 システム のどこをどう連携したり、改善したりできるか、
アイデアを出すときなどの役に立ちますので、この記事を参考にしてみてください。

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