技術情報・コラム(更新: 2026年8月19日

情報システムとは?基幹系・情報系の違いと具体例をわかりやすく解説

情報システムとは、業務に必要な情報を集めて記録・処理し、必要な人がすぐに使える形で共有するための仕組み全体のことです。パソコンやサーバーなどの機器、ソフトウェア、データベース、ネットワーク、そしてそれらを運用するルールまでを含めて「情報システム」と呼びます。

ほとんどの企業や官公庁は、多種多様な情報システムを保有し活用しています。情報システムは大きく「基幹系システム」と「情報系システム」の2つに分けられます。どちらも組織内で利用されるものですが、役割と特徴は大きく異なります。

この記事では、情報システムの定義から、基幹系システムと情報系システムの違い、代表的な具体例、そして近年主流になっているクラウド型・Web型への移行まで、順を追って解説します。

情報システムとは?

情報システムとは、業務で必要となる情報・データを記録・保存・更新し、膨大なデータを効率よく扱えるようにする仕組み全体を指します。

かつては紙の帳簿やファイルで管理されていた情報を、コンピュータとネットワークで一元管理することで、次のような効果が得られます。

  • 手作業による転記や集計をなくし、業務を効率化・平準化できる
  • 情報を組織全体でリアルタイムに共有できる
  • 蓄積したデータを分析し、経営の意思決定に活かせる

企業で使われる情報システムは、役割によって「基幹系システム」と「情報系システム」の2つに大別されます。

分類役割代表例
基幹系システム企業活動の根幹となる主業務を直接支える販売管理・生産管理・在庫管理・財務会計・人事給与
情報系システムコミュニケーションや意思決定を支援し、主業務を補助するメール・グループウェア・CRM・SFA・BI

基幹系システムとは?

基幹系システムとは、いわば企業活動の基盤そのものを支えるシステムです。具体的には次のようなシステムが挙げられます。

  • 販売管理システム(受注・出荷・請求の管理)
  • 生産管理システム(生産計画・工程・原価の管理)
  • 在庫管理システム(入出庫・棚卸の管理)
  • 財務会計システム(仕訳・決算・帳票の管理)
  • 人事給与システム(人事情報・給与計算の管理)
  • 勤怠管理システム(出退勤・残業・休暇の管理)

企業や組織の活動に直結する業務を担っており、止まると事業そのものが止まってしまうシステムでもあります。たとえばメーカーの販売管理システムが停止すれば出荷が止まり、営業担当者は取引先への事情説明に奔走することになるなど、企業の営業活動や業務に大きな影響が発生します。だからこそ基幹系システムには、高い安定性・正確性・セキュリティが求められます。

なお、販売・会計・人事といった複数の基幹業務を1つに統合して管理するパッケージは、ERP(統合基幹業務システム)と呼ばれます。基幹システムとERPの関係については基幹システムと業務システム、ERPの違いは?で詳しく解説しています。

情報系システムとは?

情報系システムとは、社内外のコミュニケーションや事務処理の効率化、ビジネスの意思決定支援に使われるシステムです。社員のスケジュール・タスク管理から、組織内での情報の一括管理・共有まで、便利な機能を備えたソフトウェアが数多く利用されています。代表的な例には次のようなものがあります。

  • 顧客管理システム(CRM)
  • 営業支援ツール(SFA)
  • マーケティングオートメーションツール(MA)
  • メール・チャット・グループウェアなどのコミュニケーションツール
  • Web会議システム
  • ドキュメント共有システム・ナレッジ共有システム
  • ビジネスインテリジェンスツール(BI)

基幹系システムが企業活動の根幹となる主業務を担うのに対し、主業務の補助的な位置づけで用いられるのが情報系システムです。情報系システムは「事業を加速させるためのシステム」と言えば、より理解しやすいでしょう。

基幹系システムと情報系システムの違い

2つのシステムの根本的な違いを、3つの観点から見ていきましょう。

1. 止まったときの影響度

基幹系システムは、停止すると受注・出荷・会計といった業務そのものが止まり、自社のみならず取引先や顧客などさまざまな方面に支障をもたらします。情報漏えいや権利侵害を防ぐためのセキュリティ対策も強固にしておく必要があります。

一方、情報系システムが止まると不便にはなりますが、業務に与える影響は基幹系システムよりも比較的小規模です。たとえばメールが送受信できなければ、電話や対面など他の方法でコミュニケーションがとれるように、代替手段があるためです。とはいえ情報系システムも、セキュリティが確保されていることはもちろん、万一トラブルが発生しても安心できるサポート体制が構築されたシステムを選ぶことが重要です。

2. カスタマイズ性

情報系システムは、既存のソフトウェアやクラウドサービスをそのまま使用することが多いのが特徴です。電子メールやWeb会議のツールを組織ごとに作り替えるケースは少なく、汎用的に販売されているものをそのまま使用するのが一般的です。

一方、基幹系システムは、その企業や組織独自の活動内容に特化させたシステムを開発して使用されるケースが多いという特徴があります。汎用性を持たせた基幹系パッケージも販売されていますが、独自のビジネスモデルを持つ企業が汎用のシステムを無理に活用しようとしても、思うように業務を効率化できません。導入事例が多い、価格が安いなどの理由だけで導入すると、自社のスタイルに合わず効率化につながらないケースも少なくありません。実際の運用を含めて事前に検討しておくことが重要です。

3. 導入・運用にかかる費用感

そのまま使える情報系システムは月額課金のクラウドサービスが多く、初期費用を抑えて始められます。一方、自社に合わせて開発する基幹系システムは初期の開発費用がかかるぶん、業務への適合度と長期的な効率化効果で回収する考え方になります。開発費用の相場感はシステム開発の費用・相場【2026年版】で詳しく解説しています。

情報システムの導入形態はクラウド・Web型が主流に

情報システムの導入形態は、時代とともに大きく変わってきました。

以前は紙などアナログ的な方法で運用されていた業務が、2000年代初頭ごろから電子化されたシステムに置き換わり、当初は自社内にサーバーを設置するオンプレミス型が主流でした。その後、クラウドサービスやSaaSと呼ばれるオンライン型のシステムが広がり、現在では情報系システムの多くがクラウドで提供されています。

基幹系システムにおいても、Webブラウザから利用できるWebシステムとして構築し、社内からも在宅・外出先からも安全にアクセスできる形にする流れが定着しました。ExcelやAccessで作られた古い業務の仕組みを、Webシステムとして作り直す動きも活発です。

Web型のシステムについては、業務システムのWeb化(Webシステム化)とは?「Webシステム」と「Webアプリ」の違いとは?もあわせてご覧ください。

情報システムの導入・刷新を成功させるポイント

情報システムの新規導入や刷新を検討する際は、次の3点を押さえておくと失敗しにくくなります。

  1. 目的を明確にする。どの業務のどの課題を解決するのかを先に決め、システムはその手段として選びます。
  2. 自社の業務との適合性を確認する。特に基幹系は、汎用パッケージをそのまま使うか、自社に合わせて開発するかで効果が大きく変わります。
  3. 開発を依頼する場合はパートナー選びを慎重に行う。開発会社の選び方はシステム開発会社の選び方で詳しく解説しています。

まとめ

情報システムとは、業務に必要な情報を記録・保存・共有し、膨大なデータを扱えるようにする仕組み全体のことです。企業活動の基盤を直接支える「基幹系システム」と、コミュニケーションや意思決定を支援する「情報系システム」に大別され、止まったときの影響度やカスタマイズ性に違いがあります。

ここ数年で情報システムのクラウド化・Web化は標準的な選択肢となり、古い仕組みを使い続けることによる非効率やリスクも見えやすくなりました。もし従来型のシステムが採用されているようでしたら、この記事やSIAの業務システム開発をご参考にしていただき、情報システムのオンライン化もぜひ検討してみてください。

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